
きりさめ

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こんにちは。コンクリートジャングルに生息する珍獣OLきりさめです。
第1回(科学研究と社会の隔たり~壁は本当にあるの?実用的で役に立つ研究が全て?~)、第2回(研究と社会の隔たり~壁があったら悪いの?~)と科学研究と社会に隔たりが本当にあるのか、なぜそれを壊したいのかということを考えました。今回は研究環境と、学生時代に基礎研究に取り組んだもののアカデミアに残らなかった学生たちについて考えてみます。
科学者をとりまく研究環境
研究費が足りないとどうなるの?

研究費が足りないと言われ始めて久しいですが、「お金が足りない」とどういうことになるのでしょう。遠心分離機や、顕微鏡など実験に使うものはとても高価ですし、実験に必要な機材を購入、修理できないと研究は進みません。
人件費も必要です。実際に手を動かして研究を進めているのは若手研究者や学生ですが、生活もできないほどのお給料では働きたくても働けませんよね。
海外に行くしかないの?

研究を志した優秀な友人の何人かは海外に行きました。アメリカ・中国・北欧へ行った友人たちに研究環境を聞くとみんな口をそろえて「海外の方がいい」と言います。「日本に絶対に戻りたくない」とまで言う人もいました。私自身も、学部でも大学院でも「本当に研究を続けていきたいなら海外に行くべきだよ」と教授に言われました。
学生たちの進路
研究の道を選ばなかった学生たち

「研究で食えそう」と皆から言われる優秀な友人もお金がほしいという理由で一般企業の非研究職になりました。「基礎研究に興味がないから」離れるというよりは「基礎研究を続けるための今ある仕組みでは、自分らしく生きていけなさそうだから」離れる人が多いように感じました。もっと選択肢があればいいのにね。
仕組みさえあれば、もしかしたら
有名な教授の大きな成果はたくさんの若手研究者や大学院生の「小さな成果」の積み重ねであることも多いのです。短期間で成果を出せる人ももちろんいますが、続けていれば成果を出せた人もいるはず。
生活にゆとりを持って研究を続けられる仕組みさえあれば、将来が変わったという人は多いのかもしれません。
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