大学院修士課程の研究がつらい本当の理由

大学院修士課程の研究がうまくいかない本当の理由4選

大学院生活。

つらいことがたくさんありますよね。

大学院生

指導教員からのプレッシャーがつよい。

学部生が言うことを聞かない。

実験結果が思うようなスケジュールで出ない。

実験に失敗した。

周りに相談したいものの、そんな弱みを見せたくはない。

社会人の友人にはどうせ「学生のくせに」と思われそうだし。

もうどうしたらいいんだろう。

たけひろ
わかります。

筆者も大学院在学中はあなたと同じく研究がつらい時期がありました。

指導教員の前で1時間ほど涙をとめられなくなったこともあります。

でもつらさと向き合い、つらさを乗り越えた。

だからこそ現在楽しく研究できているのも事実。

「なんとなく修士課程で研究するのがつらい」

日々そう感じているあなた。

何がつらいのか、なぜつらいのかをまず見極めましょう。

自分の弱いトコロと向き合うのは怖いことです。

でも向き合わないとその対処法も見えてきませんよ。

今日は筆者が感じた修士課程の研究がつらい理由とその対処法を紹介します。

つらい研究が、明日から楽になるヒントが詰まっている記事です。

ぜひ最後までご覧ください

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大学院修士課程の研究がつらい理由

大学院修士課程の研究がつらい理由

自分がつらい理由を見定めなければ対処法も見えてきません。

最初の項目では修士課程の研究がつらい理由を見ていきましょう。

修士課程の研究がつらい理由①:忙しすぎる

授業に課外活動に研究にバイト。

大学院生はやることが多くて忙しいのです。

文部科学省が2,531人の大学院生にアンケートをとった結果

50.9%の大学院生が8時間以上を授業や研究に費やしていることがわかりました。

一方で全国大学生協連の調査。

3,975名の大学院生のうち2,610名(65.7%)の大学院生がアルバイト(TA・RA含む)をしていたのです。

すなわち授業や研究に8時間以上費やし、かつアルバイトをしている大学院生が少なくとも14.9%存在します。

若いうちはムリがきく。

そうは言っても自分のキャパシティを超えてはダメ。

生産性や幸福度が著しく減少します。

過剰に働きすぎていませんか?

時には自分のキャパシティを見直すのも忘れずに。

修士課程の研究がつらい理由②:指導を受ける側でありながら指導もしなければいけない

大学院生とはいえまだ学生。

他人にいわれたらムカッとするけど。

自分で言う分にはオッケー(笑)

だってまだまだ学ばなければならないことがたくさんあるんだもの。

  • 文献の読み方
  • 実験のやり方
  • 実験データのまとめ方
  • 器具の使い方や洗い方
  • 器具の滅菌のやり方
  • 研究発表のやり方
  • 論文の書き方
  • ソフトウェアの使い方
  • 時間配分の仕方
  • その他…

ざっと挙げただけでもこれだけ学ばなければならないことがあります。

それなのに学部生の面倒まで見ろってか!?

もちろん学部生を指導することのメリットもたくさんあります。

教えることが自分の学びになるし

かけがえのない友人になるかもしれません。

でも人には向き不向きがある。

自分に向いていないことをするほどつらいことはありませんね。

「とはいえ教授に言われたらやるしかない…」

安心してください。

学部生の指導がラクになる方法も本記事で取り扱っています。

修士課程の研究がつらい理由③:指導教員とのミーティングがつらい

研究室に所属すると指導教員をえらびます。

あなたが選んだ指導教員に研究指導を受けます。

定期的に実験の進捗を報告しなければなりません。

定期的な研究報告を苦痛に感じる人は多いでしょう。

理由はさまざま。

  • いいデータが取れなかった
  • 実験コントロールを忘れた
  • 実験器具を壊してしまった
  • 指示されたことをやり忘れた
  • そもそも実験していない
  • 定期報告という名のパワハラ

このあたりが指導教員との定期報告がつらい理由です。

指導教員に理由がある場合もあります。

しかし大学院生であるあなたに問題があることもあるので注意しましょう。

あなたの行動を変えるだけで定期報告のストレスはぐっと減る可能性があるのです!

定期報告のストレスを減らす魔法の言葉も紹介しているので、記事を最後までご覧ください。

大学院修士課程の研究がつらい!対処法①さとる

大学院修士課程の研究がつらい!対処法①さとる

1つ目の対処法は「さとる」こと。

大学を卒業していても大学院生はまだ学生。

自分も成長の途中であることを認めましょう。

本項目ではそんなことを紹介していきます。

出来ない自分を許す

大学院生

大学院生になったら誰よりも研究頑張るんだ。

そして誰よりもいい英語論文書く。

そして学会で表彰されるんだ!

そんな理想を描いていたのに…。

朝から晩まで実験しても失敗ばかりで結果は出ない。

結果が出ないから論文だって書けない。

学会にだって参加できない。

なんだよ!

こんなの僕が(私が)思い描いていた大学院生活と違う!!

そんな理想と現実のギャップに苦しむ大学院生をたくさん見てきました。

はっきりいいましょう。

たけひろ
そんなものです。

最初は100回実験したうち成功するのも1回程度。

学会参加者1,000人以上の中から表彰されるなんて5人程度。

修士課程の2年間のうち英語論文執筆にこぎつけられるのだって全国の大学院生159,000人(平成28年調べ)のうち100人程度。

結果を出せる人の方が圧倒的に少数派なのです。

理想を追い求めているあなたは言うでしょう

大学院生

結果が出せないと意味がない!

本当にそうでしょうか?

では結果を出せてない圧倒的多数派の人たちにとって大学院を修了したことは意味のないことでしょうか?

たけひろ
そんなわけありません。

毎日試行錯誤して実験したあなたには失敗しても折れない忍耐力が身についている。

指導教員の思考に1番近く触れ続けたあなたには賢者のマインドセットが身についている。

修士課程で2年間努力した成果はあなたの中に残り続けます。

それこそ、表彰状や英語論文みたいな紙っぺらなんかでは測りきれない力を身に着けているのです。

結果にこだわりすぎず、目の前のやるべきことに集中する。

それだけでかけがえのないものを日々手に入れていることを忘れないでください。

指導教員も1人の人間

指導教員への不満。

ありますよね。

大学院生

前回といっていたことが違う

もっと褒めてくれればいいのに

忙しくて全然指導してくれない

実験へのプレッシャーが強い

大学院生を労働力としてしか見ていない

はい。

先ほども言いましたが。

たけひろ
そんなものです。

あなたの指導教員も1人の人間。

ささいなことで気分が左右することもあります。

実際の実験結果をみることで考えが変わることもあります。

時には大学院生に厳しく接することだって必要だし。

物忘れだってするのです。

納得いかない?

ではあなたの思い描く理想の指導教員とはどんな人でしょうか。

使いきれない研究費を持っているくらい賢くて、

毎回大学院生の悩みをに親身に聞いてくれるほど優しくて、

新しい実験の時は毎回手取り足取り教えてくれる。

そんな神のような指導教員でしょうか。

そんな神のような指導教員もいないこともありません。

ですが世界を見ても相当レアでしょう。

それにその神のもとで研究するには、あなたにも相応の実力や経歴を求められます。

あなたに相応の実力や経歴が備わっていますか?

ないのであれば、今は現状に耐える時期なのかもしれません。

あなたも指導教員に不満を持っているように、指導教員もあなたに不満を持っています。

そんな持ちつ持たれつの関係で今はいいじゃありませんか。

学部生なんてそんなもの

大学院生

指導している学部生が言うことを聞かない

実験を教えたとおりにできない

そのせいで指導教員に怒られるのはいつも僕だ(私だ)!

聞き飽きているかもしれませんがもう1度言いましょう。

たけひろ
そんなものです。

そもそも学部生はどこかしらの研究室に所属しなくてはいけないのです。

(大学によっては異なりますが)

研究に対するモチベーションなんてそもそも持ち合わせていない学部生の方が多いでしょう。

そんなモチベーションの低い人に何を求めるのですか?

毎日研究室に顔を出すだけでも偉いでしょう。

実験したら大手柄。

実験が成功したらお祭り騒ぎ。

それくらい期待値を下げてあげるのも、教育の1つです。

大学院修士課程の研究がつらい!対処法②たたかう

大学院修士課程の研究がつらい!対処法②たたかう
大学院生

指導教員と研究の方針でもめた!

あの人は何もわかっちゃいない!

指導教員とのいさかいもたくさん耳にします。

本項目ではそんな研究に関する意見が違った際にどう戦えばいいのか紹介していきます。

自分の研究を1番わかっているのは自分

どの大学院生も1度は言われたことがあると思います。

「自分の研究について世界で1番詳しくないといけません」

その言葉に従っていっぱい勉強してきたのでしょう。

今やあなたは、指導教員よりも自分の研究について詳しい。

自分より詳しくない指導教員が研究方針について口出ししてくる。

納得いきませんよね。

しかも出てくる言葉は漠然としたものばかり。

不満もつのるばかり。

不満が頂点に達したときは魔法の言葉を使いましょう。

魔法の言葉「ではどうしたらいいですか?」

一見投げやりに見える言葉ですよね。

しかも言ったとたん

「そんなことは自分で考えろ」

なんて言われそう(笑)

ですがそれでいいのです。

あなたは大学院生。

指導教員に具体的な指示を受ける権利があります。

指導教員が漠然とした言葉しか吐かないのなら、それを具体的な指示にまで落とし込むことを要求しましょう。

落とし込めないのならそれはただのクレームです。

早急に指導教員との関係を考え直さなければいけません(→”対処法③にげる”参照)

具体的な指示を仰ぐことで、あなたの思い違いに気づくかもしれません。

誰しもそうですが。

自分の研究について1番わかっているとは思っていても見落としがないとは言い切れません。

指導教員はそれを指摘できずに漠然としたことを言っていることもあります。

「ではどうしたらいいですか」

そう具体的な指示を仰ぐことで、指導教員の頭の中を理解しましょう。

それがお互いのためです。

その具体的な指示に納得がいけば解決!

ですが納得がいかなかった場合はどうすれば…。

次の項目を見ていきましょう。

理論武装「以前読んだ論文では…」

指導教員からの指示に納得がいかなかった場合。

あなたからも納得がいかない根拠を掲示する必要があります。

根拠とはもちろん論文です。

あなたが網羅した論文の中から、なぜ指導教員の指示に納得がいかないのか示すべきです。

示せないのならおとなしく従いましょう。

根拠もないのに指導教員の指示に従わない。

これは感情論。

論理的に進めなければならない研究から最も遠い行為に他なりません。

これまで勉強した知識を総動員して指導教員と戦いましょう。

大学院修士課程の研究がつらい!対処法③にげる

大学院修士課程の研究がつらい!対処法③にげる
大学院生

僕は(私は)十分戦った!

どいつもこいつもバカばっかり!

これ以上できることなんてない!

そんな時には物理的に研究から遠ざかりましょう。

この項目ではそんなお話をしていきます。

感情論では研究は進まない

研究は仮説を論理的に検証していく工程です。

感情的にその場で思いついたことだけをやったり言ったりしていては研究は進みません。

例えばあなたの指導教員も、指導している学部生も感情的な物言いしかできない人だとしましょう。

地獄ですね。

あなたが「もうどうしようもない!」

そう叫びたい気持ちもよくわかります。

そんな人たちに囲まれていてはあなたの研究は進みません。

早急に研究室を変えるか、大学を変えることで環境改善を図りましょう。

(研究室の替え方はコチラの外部サイトを参照してください)

一方で

「もうどうしようもない!」

これがあなたの感情的な叫びであった場合。

まだ辞めるのは早いかもしれません。

そんな時は一時的に研究室を離れましょう。

そうすることで自分の叫びが一時的なものだったのかわかります。

詳しくは次の項目へ。

研究室から離れる

まずは休暇を取ることを検討しましょう。

大学院生

修士課程は2年間しかない!

休暇を取っていたら周りに後れを取っちゃうよ!

はい。

安心してください。

「もうどうしようもない!」

そう叫んでる時点で今の生活を続けていても必ず後れを取ります。

なので思い切って休みましょう。

期間は2週間以上。

絶対メールも読まない、電話にも出ない。

研究のことは何も考えずに過ごしてください。

なぜか?

“研究をできない期間”に研究をやりたくなるかどうかを知るためです。

2週間の休暇のうちに研究したくてウズウズしてきたのなら、やはりあなたは研究したいのでしょう。

休暇をとっても研究に戻るのがイヤなら、もう研究したくないのでしょう。

研究から離れている期間の自分の心の動きに集中して自分の今後を決めてください。

ちなみに1週間はダメです。

それこそ体も心も休まらない。

ただムダな時間を過ごすだけになってしまいます。

また、休暇中にメールや電話に出るのも厳禁です。

大学院生

専門器具や機械に責任があるから…

指導している学部生に対する責任が…

たけひろ
バカやろう!大学院生に責任なんかないわ!

機械の責任も学部生の責任も全部学費や研究費から給料をもらっている方々のもの。

責任にはそれ相応の対価が支払われるものです。

あなたはお金を収めている。

もしくはもらっていても時給1,000円前後のアルバイト代。

この金額に対して責任を課す方がどうかしています。

どうか心置きなく休んでください。

もし研究したくなくなったら、寂しいですがここでお別れですね。

あなたの幸運を祈っています。

研究したくなったら戻ってきてください。

いつでも歓迎しますよ。

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まとめ

大学院修士課程の研究がうまくいかない理由とその対処法4選

以上!

あなたの大学院生活に幸せがいっぱい訪れますように。

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