研究がつらい理由と対処法:研究がうまくいかないのは当たり前

博士取得者が教える研究がつらい理由とその対処法

研究がうまくいかない!

あんなに楽しかった研究がなぜ今やこんなにつらいんだろう?

学生時代に研究者を志して大学院に進学したのに、いざ入学してみるとつらいことばかりだ!

そう思うことってたくさんありますよね。

ワタシもそうでしたし、ワタシの周囲にもそういう人がたくさんいました。

今日は博士号を取得して、その過程でいろいろな大学院生を見てきたワタシが

「研究がうまくいかなくてつらい」

ズバリその理由と対処法をお教えします!

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研究がうまくいかない・つらい理由

結果が全然でない

研究がつらくなってしまう理由の1つに「全然結果が出ずにうまくいかない」ことがあげられます。

そもそも理系とは地味なもの。

時間をかけて積み重ねて、積み重ねて、積み重ねたもののうち、その一部が花開いて論文になります。

それ以外はボツになることがほとんど。

ボツになる実験が続くと研究がうまくいかないと感じます。

しかし、研究なんてうまくいかないのは当たり前なのです。

プレッシャーに押しつぶされる

修士課程は2年。

これは1つの研究をまとめる期間としては非常に短い!

テクノロジーや科学テクニックの進歩でジャーナルが投稿者に求めるレベルも上がっています。

そのためアイディアの想起から論文出版までの期間がどんどん伸びているのです。

最低でも3年。

出来れば5年かけて1つの研究をまとめたいところ。

それを2年でまとめるというのだから時間が足りないのは当たり前。

実験がうまくいかなければ時間はさらに浪費されていきます。

時間の足りない中で結果を出さなければいけないプレッシャー。

これも研究がつらい要因の1つです。

孤独感が影響する

孤独感が研究がつらい要因になる人もいるでしょう。

よほど大きな研究室でなければ大学院生は1研究室当たり1~3人。

「仲良く協力して、朝から晩までガンガン行こうぜ!」

もしくは

「リサーチ・ライフバランスを重視しよう!いのちを大事に!」

一致団結して同じ目標に向かえればとても素敵。

ですが現実はうまくいきません。

あなたが実験を朝から晩までやりたいのに「いのちを大事に!」といわれてもわずらわしいだけ。

逆に就活のために実験はほどほどにしたいのに「ガンガン行こうぜ!」といわれるとあつくるしい。

周囲との温度差はあなたを孤独にするでしょう。

ヒトは1人では生きていけません。

孤独感はあなたに絶望をもたらします。

この絶望感があなたの研究モチベーションを落ち込ませるのです。

他人と比べてしてしまう

これも研究がつらくなってしまう要因。

ありますよね。

同じ研究室の同期が学会で若手奨励賞を受賞した。

もしかしたら学会賞を受賞しているかもしれません。

同期がNature姉妹誌に論文がアクセプトされた。

もしくはNatureの本誌かもしれません。

「他人と比べても仕方がない」

分かってはいても難しいですよね。

自分が淡々と日々実験をこなしているときに他人のいいニュースを聞くのは非常につらい!

研究がうまくいかない・つらい!その対処法

結果が出なくてつらい場合

単純な思考の変換が大事です。

「こんなものか」

そう思って今日もお布団にもぐりこみましょう。

実はいくつもの実験をこなすのは研究者にとって当たり前のことなのです。

100個の実験をこなして5~10個の実験が論文のFigureとして採用される。

それが現実であることをまずは認めましょう。

絶望する必要はありません。

Figureとして採用されるデータを出す確率は勝手に上がっていくからです。

経験を積むにつれて。

論文を読むにつれて。

実験を重ねるにつれて。

仮説を証明するために自分がするべき実験がわかるようになってきます。

自分にできる実験というのも明らかになってきます。

あせらず、毎日試行錯誤しながら実験を続けてください。

疲れて帰ってきたらあったかいお布団に入って寝ましょう。

今日成長したことを思い出しながら。

そうすれば明日は、昨日よりも研究がうまく行きます。

プレッシャーに追われてつらい場合

前述の通り、2年というのは1つの研究を論文としてまとめるには非常に短い。

まずはそれを頭に入れておきましょう。

短い期間で結果を出さなければいけないプレッシャー。

それを正しく処置するには、正しい目標設定が不可欠です。

「目標」という言葉の意味を国語辞典で調べてください。

目標とは「行動を進めるにあたって、実現・達成をめざす水準」

すなわち実現不可能なものを「目標」とは呼ばないのです。

例えば「修士課程のうちにメジャーリーグで二刀流を目指す」

意味が分かりませんよね。

もう少し現実的にしてみると

「修士課程のうちに第1著者としてNatureに掲載される論文を書く」

できる人もいるのでしょうが、世界でもごくわずかでしょう。

さらに現実的にしていくと

「修士課程のうちに第1著者として海外雑誌に掲載される論文を書く」

かなり現実的になってきましたがまだ厳しい。

せっかくなら修士課程でやった実験を論文にしたい人もいるでしょう。

あなたの目標を達成できるように書き換えてみましょう。

「休日なし&毎日14時間研究して修士課程のうちに第1著者として海外雑誌に掲載される論文を書く」

論文を出そうとするだけで、ここまでの時間的努力が最低でも必要になります。

ズバリ!

あなたの目標設定はココに設定されているのではありませんか?

普通に修士課程を送っては届かないかもしれないけれど、ムリすれば届くかもしれない。

そのムリに限界がきてしまった。

ムリのし過ぎで身も心も疲れ果ててしまった。

これがおそらくあなたが研究をつらいと感じてしまう原因でしょう。

思い当たったなら目標設定を引き下げることが大事。

大きな目標を掲げることは素晴らしいことです。

しかしそれがあなたの首を絞めているのなら、賢い選択とは言えません。

指導教員と話し合い、最適な目標を掲げることでまた研究が楽しくなります!

孤独感にさいなまれてつらい場合

研究室内で周囲の研究への温度差から孤独になってしまった方。

他の研究室の友達を探しましょう。

大学内では定期的に研究室間の交流をうながすイベントが開催されているはずです。

実験する手をとめてイベントに参加するのは非常にストレス。

わかります。

ですが研究室内のメンバーと合わずに孤独を感じるあなた。

その孤独感に耐えられないあなた。

孤独を紛らわすために他の研究室で友達を作るしかないことは明らかです。

飲み会でもいいですし。

業績発表会でもいいですし。

スポーツでもいいです。

研究室外で友人を作る努力をしましょう。

TwitterやInstagramなどのSNSを使う方法もありますが、おススメしません。

その理由は後述。

他人と比べて落ち込んでしまう場合

きっとあなたは友達が多くてコミュニケーション能力が高いのでしょう。

もしくはSNS中毒。

周囲の人たちのことが気になって仕方がない。

気にした結果、周りと自分を比べて落ち込んでしまう。

ひとつ前のトピックの「孤独感がつらい人」と逆のタイプですね。

逆というなら対処はカンタン。

孤独になりましょう。

孤独はつらい?

でも孤独になり、周りの情報をシャットアウトすれば友人や同期の華やかな経歴を聞かずに済みます。

それでも指導教員から情報が入ってくる?

「○○研究室の大学院生が○○賞を受賞したらしいぞ」

そうやってあなたにプレッシャーをかけてくるなら素直にこう言いましょう。

「モチベーションが下がるのでやめてください」

指導教員もあなたのモチベーションを上げるために言っているハズです。

それがあなたのモチベーションを引き下げてしまっているとわかれば、きっとやめてくれます。

研究がつらいのは自分だけじゃない

日本国内の修士課程進学者は7万人超

科学技術・学術政策研究所のデータでは、2019年修士課程に進学している学生は全国で7万人を超えます。

もし大学内にあなたのつらさを理解してくれる人がいなくても落ち込まないでください。

全国にはきっとあなたと同じ思いをしている人がいるはずです。

きっとあなたを理解してくれる人がいます。

大学院を辞めるのも1つの選択ですし。

それが正しいこともあるでしょう。

しかしワタシは博士号取得者として、あなたを引き止めたい。

大学院に進学を決意したあの日。

つらいことを覚悟して進学を選んだはず。

今はちょっと研究がうまくいかなくてつらいだけです。

前述した対処法を試してください。

きっと決意を新たに大学院生活を楽しめるはずですから。

SNSの見すぎに注意!

さて。

先ほども出てきたSNSの見過ぎに関する注意点。

SNSには日々数えきれないほどの投稿が行われています。

あなたが軽い気持ちでSNSを始めたとしましょう。

SNSがあなたに興味のあるワードを聞いてきます。

あなたが選んだワードのうち関連するものをSNSがピックアップしてくれます。

ピックアップされた投稿が、あなたのタイムラインに並びます。

つまりあなたがアプリを開いた瞬間にそれらの投稿を見ることができるのです。

例えば「研究」を選んだとしましょう。

断言しますが、出てくるのは華やかしい業績をあげた、年齢が近い人たちの投稿です。

その業績は論文出版の報告かもしれません。

学会賞を受賞したときの写真かもしれません。

なぜなのか?

それらの投稿に「いいね」がたくさんつくからですね。

みんながいいねしているということは、あなたも興味があるだろう。

AIの余計なお世話が働くのです。

それを見たあなたはどう感じるでしょうか?

「同期のやつらも頑張っているんだ。ボクも(ワタシも)頑張ろう」

そんな風に感じる人ならこの記事にたどり着いてないでしょ(笑)

その人たちと自分を比べてさらに落ち込んでいくだけです。

安易な気持ちでSNSには手を出さないように!

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まとめ

 

研究がうまくいかない・つらい原因とその対処法

以上!

あなたの大学院生活に幸せがいっぱい訪れますように。

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