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理系大学進学を目指してる方の中には、進路選びの際に、”電気電子工学科”、”電気工学科”という名前を見かけたことがある人も多いと思います。
進学したいと思って調べていくと、”情報工学科”と呼ばれる学科も見たことがあるのではないでしょうか。
私の場合は逆に、当初はコンピュータに興味があったこともあり、情報工学科がある大学を調べていたのですが、その中で”電気電子工学科”を見かけることがよくありました(最終的にどちらも学べるところに進学しました)。
当時は、「電気工学科って、電気回路とかを作るの?」「情報工と同じような分類にされてるのって何で?」…などと思った記憶があります。
また、電気系の学部を調べていると、“就職に強い”という噂を聞いたことがある人もいると思います。
そこで今回は、「大学の電気電子は具体的にどんな勉強をするの?」「情報工との違いは?」「どういうところに就職するの?就職に強いって本当?」といったことを紹介していきます。
電気は身近にあふれてる
まずは電気電子分野はどのようなものか、日常生活の中で使われているものを挙げて説明したいと思います。
家電やコンセントなどでA/Vという表記を見たことがある人も多いのではないでしょうか。科学の授業で学んだ電流(アンペア)と電圧(ボルト)です。電気電子工学の授業で主となるのは、電気回路と、回路を流れる電流・電圧の制御についてです。
他にも、スマートフォンなどの電子機器に使われる半導体素子・制御も電気分野に分類されます。
電気は日常生活と切り離せない存在です。電気を学ぶことで、自分たちの生活の仕組みを理解しやすくなります。このことは電気の面白さの一つではないかと思います。
なんとなく電気についてわかってもらえたかな、というところで、電気電子(通称電電)の大まかな分類を紹介します!
電気電子学部・学科の勉強は、以下のような分類に分けられます。
①回路・制御
②情報・ソフトウェア
③半導体・エレクトロニクス
この分類はあくまで一例ですが、参考にして頂ければ幸いです。
それでは、各分野について、(1)具体的にどんな勉強をするの?、(2)就職先は?という内容で説明していきます。
①回路・制御
勉強内容
電気電子の中心の勉強と言ってもいいほど重要な分野です。電気電子系だと、これを主にしている学科が多いのではないでしょうか。
この分野では、
・電気・電子回路
・論理回路
などの回路について、
・素子の役割や回路の仕組み
・電流・電圧を計算するための数学
を学びます。
大学では講義中心だと思いますが、学生実験でパソコン上で回路を組んだり手で回路の配線をしたりなんかもします。
就職先
メーカーの電気系技術職としての就職が中心です。電気部品メーカーも多いです。ちなみに、電気系の学生は、電気メーカーに限らず、様々なメーカーに行くことができます。理由は後ほど。
②情報・ソフトウェア
勉強内容
情報・ソフトウェアというとパソコンを使う、というイメージだと思います。「電気回路に関係あるの?」と思われるかもしれませんが、めちゃくちゃ関係あります。
近頃は、パソコンを使って制御をすることが当たり前になっているからです。
そのため、回路を動かすために、
・プログラミング
・通信
の勉強が必要です。
これらを学び、コンピュータ的な思考を身につけることで、制御への理解が深まります。
情報工との違いは?
情報・ソフトウェアの勉強は、情報工学科というところでもできます。さらに、情報工学科でも回路などのハードウェアについても学びますし、学ぶ分野の範囲が広いことは同じです。内容も大きな違いはないのではないかと思います。
では何が違うのか?
ソフトウェアや通信について、この二つの学科で違うところは、“ソフトウェアそのものを作る”か“ソフトウェアを使う”かだと思います。
情報工はソフトウェアを作る、電気電子はソフトウェアを回路を動かすツールとする、というイメージが分かりやすいのではないでしょうか。
学ぶ内容はあまり違わなくても、アプローチの仕方が違うということを知って頂けたらと思います。
就職先
“電気回路を扱うために必要なツール”のように紹介しましたが、情報系の勉強をしていくうちに興味が深まったら、ソフトウェア・IT系の就職先にも目を向けられます。
実際私の知り合いの電気電子出身者にも、プログラマーとして就職した人がたくさんいます。
こうして選択肢を広げられることは、幅広い分野を学べることのメリットの一つですね。
③半導体・エレクトロニクス
勉強内容
半導体と言えば、ノーベル賞や輸出規制など、何かと話題の絶えない分野ですね。しかし、「そもそも半導体って何?」という方も少なくはないのではないでしょうか。
簡単に言うと、電気を通す“導体”と通さない“絶縁体”の中間的な性質を持つ電気素子を指します。基本的には電気を通さない物質ですが、ある元素を含ませることで電気を通すという性質を持ちます。この電気的性質が、制御するときに役に立つのです。
携帯電話や電子機器はもちろん、車や社会インフラの電子化により、半導体分野は今、より身近なものになっています。
電気電子では、
・半導体の仕組み
・基礎となるエレクトロニクス(電子物性、量子力学)
について学びます。
エレクトロニクス、電子物性、量子力学は、電子の性質について学ぶ分野です。カリキュラムによって扱う課目や名称は変わりますが、いずれにおいても電子の基礎を学びます。半導体は電子の流れが重要となる分野なので、これらは必須科目です。計算式や概念が複雑なので、少し理解するのが難しい分野だと思いますが、”ものを動かすための原理”に興味がある人には面白い内容です。
就職先
半導体メーカー・部品メーカーが中心となります。自動車系にも強いので、車好きな人にもおすすめです。理論的なことも多く学ぶ分野なので、研究職がやりたいという方にも面白いかもしれませんね!
電気系の就職
電気系は就職に強いって本当?
率直に言うと、本当です。実際電気電子だった私も就活中そう感じました。
技術職は基本的に需要が多いですが、その中でも電気系は活躍できる場がたくさん用意されています。
理由は、お気づきだと思いますが、“幅広い分野を学ぶから”ということが大きいです。
勉強する範囲が広く、単位を取得するのはそれなりに苦労しますが、頑張った分選択肢が広がります。先ほど分野別に就職先を挙げましたが、どれを中心に勉強していたとしても、就職先は選べます。かくいう私も、半導体の研究室に所属していましたが、就職したのは機械メーカーです。
さらに、電気というと電気系メーカーのイメージが強いと思いますが、機械や化学のメーカーでも電気電子の学生は重宝されています。
機械を使うということは、当然電気を使うということです。前の方で説明したとおり、日常生活に溢れているなら、専門的なメーカーで電気を使わないわけはありません。
色々な意味で、電気電子は就職に有利ということになりますね。
(CMです)
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電気電子は幅が広い!
電気電子は幅広く勉強します。それゆえに将来の仕事の選択も広いです。
ものづくりが好きな方はもちろん、日常生活で使われているものの仕組みに興味がある方などにもおすすめです。
余談ですが、電気電子の男女比は、私がいた大学も、他の大学も大体9:1くらいです。ですが、最近は女子も増えてきているところも多いです!回路を組んだり、細かい作業など、丁寧さが求められることも多いので、女子にも難しくないのかなーとは思います。
理系女子も理系男子も、興味がある方はぜひ候補に入れてみて下さい!
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