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情報通信工学科に所属するライターのHATOです。
情報通信工学科というのは名前だけ聞いてもわかりずらい学科の一つでもあります。また、僕はこの学科に入る前、情報とはいったいどこまでの情報を扱うのか、通信は何を勉強するのかいまいち想像できませんでした。
なので、今回は情報通信工学科に入学しようとしている人、興味がある人に“情報通信工学科は何を勉強し、どんな人が向いているのか”徹底的に書いていこうと思います。
目次
ソフトウェアとハードウェアを学ぶ情報通信工学
僕の大学の例を取り上げ、1年次~4年次に何を学ぶかひとまずあげていきます。
- 微分積分学
- 物理学
- 情報リテラシー:コンピューターを扱う上での能力
- プログラミング
- 論理回路
- 通信基礎数学
- フーリエ解析学
- 情報理論:”データ”がどういうものなのか学んだりする
- 電気回路
- 通信工学
- デジタル信号処理
このようになっています。この中の学問をわかりやすくまとめると
プログラミング・情報理論・情報リテラシーがソフトウェア関連
論理回路・電気回路・通信工学などがハードウェア関連となります。
そして僕の大学は1年次~2年次はソフトウェア関連を中心に学び、3年次にハードウェア関連を学ぶ流れになっていました。
その他の大学では順番が違う可能性があります。なんで、その都度学校側に質問してみるとよいでしょう。
情報通信工学の講義内容
情報通信工学の講義には、情報リテラシー、情報理論、通信工学、論理回路、デジタル信号処理など名前だけ聞いてもわかりにくいのが多くあります。それらの講義が実際どのような内容を扱っているのか紹介します。
情報リテラシー・情報理論
情報リテラシーは“コンピューターを使う上での能力”を勉強します。
- 電子メール
- プログラミングエディタの使い方
- データ処理ソフト、グラフ作成
- 描画ツールの使い方
- LaTeXの使い方
などPC操作において基本的なソフトウェアなどの使い方を学んだりするのがこの学問でした。
情報理論は、携帯電話やデジタル放送など情報の“伝達”、”蓄積”、”処理”について学ぶ学問です。
- “情報”が何でできているのか
- 情報を伝達するための方法
- 情報を処理するための動作原理
難しく言うと”符号化”、”誤り訂正”といった内容を勉強します。
論理回路・通信工学
論理回路とは“回路の基礎となる演算”などを勉強します。
- 論理関数
- 論理ゲート
- 各回路の動作方法
- 論理回路設計手法
いわゆるハードウェア関連の回路となる基礎を学ぼます。
通信工学は“通信に関しての必要な知識”を学ぶ学問です。
- フーリエ変換
- 確率分布関数
- パルス符号変調
とても難しい単語が並びますが、通信に関して必要不可欠な知識を学びます。
学ぶ”幅”が広い学部・学科なので注意が必要
情報通信工学では、ソフトウェアからハードウェアを学ぶのでとても幅広い知識を学びます。
少なからずソフトウェアが感覚的に好きな人もいれば、ハードウェアが好きな人も中にはいます。
そうなってくると、ソフトウェアのほうはものすごく熱心に勉強するのにハードウェアはいまいち勉強する気にならない……みたいな人が結構います。
極端に言うと、ソフトウェア関連の授業成績はめちゃくちゃ良いのにハードウェア関連は単位を落としてしまう人までいます。
僕自身もソフトウェア関連の授業には意欲的になってましたが、ハードウェア関連はいまいち乗り気になれないのが事実でした。
しかし、何とか勉強できた理由として、“興味をいろんなところに向けることができる性格”だったので勉強し続けられたと僕は思っています。
ハードウェア、ソフトウェアと分類されてはいますが、それらは切っても切れないように関係しあっています。そういうところを気づいていくと興味も膨らみどちらも勉強できました。
なので、情報通信工学は深く突き詰めたい性格や、そうしようと思っている学生には向かない学部学科だと思います。
情報通信工学を学んでいてメリットに感じたこと
情報通信工学を実際に4年間学んでいてメリットに感じたことがいくつかあります。
- ハードウェア関連(半導体など)はとても求人が多い
- ゲーム機・医療・PC・家電・携帯電話・etc…これらの基盤となる学問なので一生使える
この2つを感じました。
半導体や回路系の求人はとっても多いです。僕が所属している研究室も多くの企業の方が会社説明会に来てくださったり、この研究室の学生が欲しいと言ってくださることが頻繁にあります。
それだけ必要とされている学科でもあります。
また、ソフトウェアはとてつもない速さで進化し、変化していきます。なので、勉強していたことがこの先あまり使われていない……という可能性があります。
しかし、ハードウェア関連の学問(半導体など)はありとあらゆる電子機器に存在し、その基礎を学ぶので一生使える知識を持つことができます。
どんなところに就職するのか
- ネットワークエンジニア
- システムエンジニア
- 放送・電子通信技術者
- 製品・回路設計者
- LSI設計者
- 航空宇宙・エレクトロニクス技術者
- 研究職
- システムアナリスト
職種としてはこのような職種に就職する人が多いです。
具体的な会社名を上げると“日本電気,キャノン,凸版印刷,ルネサスエレクトロニクス,日本無線,東海旅客鉄道,富士通,日本電気,JRAシステムサービス,ソフトバンク,日本放送協会 “こういった企業の種類です。
僕の研究室では回路設計者になる人が多かったです。入る研究室によってハードウェア関連、ソフトウェア関連に就職する率が変わってきます。
入学希望なら、 インターネットや身の回りの機械について興味を持つといい
情報通信工学科に入学を決めている方は“身の回りにある機械やソフトに興味を持つ”と入学した後今どんな勉強してるんだ?って時に役に立ちます。
電磁波工学というのを勉強しているときには、「アンテナやiPhoneから送受信している電波のことについて学んでいるんだなぁ~」とか、情報リテラシーや情報理論を学んでいるときには「今送るLINEの文字や絵文字はこうやって送られるんだなぁ~」とか……
僕は上記のように学んでいる最中に思っていましたが、入学する前に身の回りの機械やソフトについて興味だけ持っているのは授業を聞く姿勢が全然違います。
中身について興味を持って調べるといいと思います。
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まとめ
この記事の内容をまとめると
- ソフトとハードを幅広く学ぶ
- 回路系、システムエンジニア、アナリスト、など就職先も幅広い
- 深く突き詰めたい学生は向いていないかもしれない
ということでした。
他に聞きたいこと、質問等ありましたら、コメント欄や僕のTwitter(@machatoo_blog)などに気軽にご連絡ください!
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