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こんにちは、管理栄養士養成大学にて博士後期課程に在学しているAI(@kwhr_ai )です。
大学四年間で栄養・臨床・薬学・食品衛生・公衆栄養・統計・調理など幅広い分野を学び、管理栄養士国家試験を受験、合格することができました。
でも実は、大学3年生までは、管理栄養士国家試験を受験するつもりなどありませんでした。
(講義は毎日フルコマで、実験も週3・4、レポート毎回提出、調理のテストもボロボロ…そもそも私、絶対管理栄養士向いてない。もう国試諦めようかな…)と、毎日考えていました。
参考記事:文学少女だった私、なぜ、管理栄養士に?
そんな私ですが、2017年大学卒業後に、管理栄養士国家試験を受験・合格しました。
しかしながら、私の周りでも
・国家試験を受けない
・国試受験資格を得るための授業を取らない
・栄養士として卒業
・途中で大学を辞める
というパターンの学生を多く見かけてきました。これまでに、管理栄養士免許に関するいろんな相談を受けてきましたが、結論として言うと、
管理栄養士国家試験は、受けた方が絶対にいい
です。なぜここまで断言できるのか、今回は管理栄養士と栄養士の違いを踏まえながら解説していきます。
おすすめ記事:管理栄養士ってどんな人?大学生活や大学ラボでの研究内容もご紹介します
目次
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「管理栄養士」と「栄養士」
二つの資格の違い
「管理栄養士」と「栄養士」の一番の違いは、請け負うことのできる業務内容が違うことです。
上図に、簡単な違いについて示しています。
管理栄養士:国から与えられる資格
栄養士:都道府県知事から与えられる資格
そして「病気の患者様への栄養指導などは管理栄養士にはできるけど、栄養士にはできない」など、対象者や業務内容も大きく変わってきます。
この二つの違いは、資格の取得方法の違いによるものです。
資格の取り方
栄養士免許は、定められた大学(4年大・短大・専門)を規定の単位を取得して卒業した後、都道府県知事に申請することで取得することができます。
一方、管理栄養士免許は、管理栄養士養成課程を卒業して国家試験受験資格を取得後、実際に国家試験を合格し、厚生労働省に申請して得られるものです。
この時、栄養士養成学校(短期大学や専門学校)を卒業した後に管理栄養士の免許を取得したい場合は、栄養士としての実務経験を積むことで管理栄養士国家試験受験資格を得ることができます。
それは、管理栄養士養成の学校と栄養士養成の学校でカリキュラム(講義・実習・実験)の数が違うため。栄養士養成の学校で、管理栄養士になるために必要な実技を、実際に社会人で実務経験を踏むことで補うのです。
管理栄養士国家試験合格率
2019年度の合格率は、以下の通りです。
学校区分 | 合格率(%) |
管理栄養士養成課程(新卒) | 95.5 |
管理栄養士養成課程(既卒) | 18.0 |
栄養士養成課程(既卒) | 20.4 |
60.4 |
参考:旺文社教育情報センター
既卒の合格率が低いのは、やはり社会人となってから仕事のかたわら勉強しなければいけないため。一方で、管理栄養士養成課程を卒業するタイミング(現役)受験する場合はそのまま勉強した内容が国家試験に出るので、合格率もグンと上がるのです。
正直、管理栄養士養成課程は大変
とはいえ、管理栄養士養成課程で定められているカリキュラムは、そこまで甘いものではありません。各学部で定められているカリキュラムとは異なり、国の指定する講義の単位を取得する必要があるのです。(医師や薬剤師、看護師などの技能系のようなものです)
実際に、私の周りでもリタイア、もしくは栄養士免許のみ目指していく学生は何人もいました。管理栄養士養成大学の学生であっても、国家試験を受けずに栄養士として卒業する人は結構な割合でいるのが現状です。
管理栄養士を取得するメリット
ここで、管理栄養士養成大学の学生にフォーカスしてお話しします。なぜなら、彼らは卒業後に「栄養士」と「管理栄養士」両方を選べるからです。
そして、「学べることが大きく違う」こと、実際に働く際の「業務ので範囲が広がる」などといった当たり前なメリットは省略します。
そして、私の考える“管理栄養士の資格を取った方がいい”と思う5つのメリットを挙げます。
①これまでの努力の証が自信へ変わる
仲間と切磋琢磨してたくさんの講義や実習を乗り越え、ようやく国家試験でその努力を発揮することができます。さらに合格することで、人生の中での大きな自信が身につきます。
大学で取得できる免許や資格はたくさんありますが、そこまで多くの資格が取れるわけではありません。(もちろん個人的に独学で免許を取得することはできますが、大学課程を通して取得できる免許には限りがあります)
医学部・歯学部・薬学部・看護学部といった、国家試験をひかえる学部においては、資格を受験することがマストになると思います。しかし、管理栄養士養成課程においては、管理栄養士の免許を活かすことなく就職する人の割合が多い大学もあります。つまり、国家試験を受けるも受けないも個人の判断にゆだねられるのです。
その中で、やはり管理栄養士養成大学にいながら国家試験を諦めるのは、正直「もったいない」と思います。
②生きていく上で知識が役立つ
例えば、身体に不調が表れたとき(頭痛、風邪症状、皮膚の荒れ)何の栄養素を補うべきかをぱっと考え、そしてどんな食べ物に多く含まれるのか、食事にどう取り入れるのがいいのか、など、一連の流れが自然と思いつきます。料理をするだけではなく、自分の体調に合わせた料理を考えることができるのです。
他にも、病院で薬を処方されたときの薬と食品の相互作用がわかり、食中毒への対処ができ、場合によっては給食経営管理を自身の家計簿管理に活かすこともできます。
また、テレビやネットに溢れる膨大な健康情報に対して、正しい情報の取捨選択ができます。
管理栄養士として病院や学校、事業所で働かなくとも、日常生活で知識が生きることは非常に多いのです。
③進学しやすい
栄養士として卒業する場合は、基本的に学校や事業所に栄養士として就職することがほとんどです。理由は、栄養士として卒業する多くの場合が短大や専門学校であり、あまり大学院制度のあるところではないという現状があるためです。他にも、早く就職したいという人が栄養士養成施設へ行くことが多い、という事実もあります。
しかし、四年制大学である管理栄養士養成大学は、多くの場合大学院制度があります。そのため、主に卒業研究で配属され、研究の魅力に気づいた学生や、大手食品メーカーで食品開発をしたい学生が大学院に進学する傾向にあります。
④マネジメント能力が身につく
栄養士と異なり、管理栄養士はさまざまな人を相手に指導する立場です。それは患者様であったり、調理師・栄養士であったりと、とにかく他人へ指導を行います。実際に、管理栄養士養成課程の実習で病院や学校、保健所、事業所へ行くと、管理栄養士の先生が指導している場面に何度も遭遇します。
そこで、学生のうちから人との向き合い方を「栄養教育論」などで学びます。(行動変容段階モデル、トランスセオレティカルモデルなどの、人間の行動についても勉強しました)
これにより、マネジメント能力がかなり向上したのを実感しています。
⑤新卒で受ける方が楽
一番といっても過言ではない、現役で管理栄養士の国家試験を受けるべきと思う理由がこれです。先ほどもいったとおり、新卒(現役)での合格率が100%に近いのに対し、既卒でうけると合格率がガクンと下がります。
新卒で受けずに、あとから「やっぱり国家資格がほしい!」と思っても、5人に1人しか受からないような厳しい合格率なのです。
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「管理栄養士」を悩んでいる人へ
私も管理栄養士養成課程にいながら、「栄養士でいいや…」と諦めかけている側の人間でした。授業や実習がきつくて、諦めたくなる気持ちがかなり分かります。
ですが、諦めずに国家試験を受験してよかったと思う場面はたくさんあります。何より、自分に大きな自信を与えてくれたのが国家試験でした。
諦めずにがんばれば、必ず報われます。せっかくのチャンスをしっかりモノにして、管理栄養士国家資格をゲットしましょう!
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