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こんにちは、tsuyoshiです!
11月6日(土)に行われるサイエンスアゴラの日も近くなり、出展準備も大詰めになってきました。
11/1(月)のサイエンスアゴラ前夜祭では、テンパりながらもこの企画についてお話させていただきました(1:26:39-1:31:50で話しています)。
出展準備を行う中でも様々な方のお力を借りており、日々感謝しています。
そんなサイエンスアゴラへの出展ですが、実は自分が企画案のベースを作っています。
そこで、この出展の企画者として、「どういう想いを込めたのか」「なぜこの企画をやろうと思ったのか」という話をしていこうと思います。(前夜祭では話しきれなかった部分についても、紹介していきます!)
この記事を読んで、少しでもどういったことを目指した企画なのかが伝われば、と思っています。
それでは、さっそくスタートしましょう!
関連リンク:サイエンスアゴラ企画紹介・申し込みページ
目次
科学を通した私たちの営みを問い直す
科学は専門家の特権か?
今回のサイエンスアゴラ出展までの流れを語るには、まず自分自身が持っている問いについて語る必要があります。
それは、『”科学” とは何か』『”研究者” とは何か』というものです。
これらの問いは、自分自身にとって、大学生の途中から今に引き続いて、常に切実な問いとして側にあるものです。
今の社会において、科学は職業研究者を中心とした専門家によって担われたり生産されたりする知識やその体系、と捉えられることは少なくありません。
科学的な知は専門家を中心としたコミュニティが保障している、という側面も実際にありますし、それに対する敬意や重要性の認識は何ら揺るがずにあるものです。
ただ、科学を、唯一専門家集団が専有的に担う特権的な営みと見做すことについては、どうしても同意できませんでした。
大学や企業の研究者でなければ研究者ではないのか?大学や企業を離れて行う営みは、もはや研究や科学と見做されないのか?
職業研究者が行うのでなければ科学に非ず、という態度は、自分のアイデンティティにとって一種の切実な危機になるものでした。
そして同時に、これは社会に対しても問うべき問いであるように思えました。
科学に連なる営みとは何か?
そうした切実な問いに向き合わざるを得なくなって、科学とは何か、といったことを一層考えるようになりました。
1つの定義としては、科学を科学的態度に基づいた探究・構築されたもの、というようにも考えました。
そして、社会的な属性によってではなく、科学的態度に基づいているかどうかによってのみ科学者や研究者を定義する、というものです。
これはある程度納得できる考え方だと思いますし、科学者・研究者が須らくもつ1つの側面だと思います。
ただ一方で、ここでの科学的態度は、専門家集団によって規定される文化のような側面があると感じました。そして、科学者・研究者には、そのような専門家集団の文化という範疇に収まり得ない側面があるようにも感じました。
そこで、科学に連なる営みに焦点を当てて考えなおしてみました。
そう考えた時、科学に連なる営みには、そこで起こる会話や議論、あるいは何らかの現象や真理について思いを馳せるようなことが含まれているように思えました。
実際、そのような会話や議論を通して研究が進むことは往々にしてありました。また、そのような会話や議論をする時間や、現象や真理に対して想像を膨らませる時間というのは、何とも言えない豊かさを伴うものでした。
このように科学に連なるこのような側面に焦点を当てた時、科学を自分の外にあるものとしてではなく、科学を自分自身の内面に営みとして織り込まれたものとして考えられるのではないか。
科学に関するアイデンティティを自分の外側によってのみでなく、内側によっても定義するようなそんな在り方があるのではないか。
そういう発想が徐々に芽生え始めました。
科学がつなぐ理系とーくラボでの対話的交流
そんなことを考えながら、昨年度から1年程、理系とーくラボでの交流に参加してきました。
オンラインコミュニティとは不思議なもので、日常と物理的な接続がないにも関わらず、非日常とは言い難い日常との何らかの接続性を感じさせます。
理系とーくラボは科学に関するオンラインコミュニティという性質を持っているため、科学に関する交流はやはり多いです。
ただ、自分の携わる研究分野の話をすることは相対的には多くはありませんでした。にも関わらず、そこでの対話や交流には、日常会話とはまた違った感覚を覚えました。
また、科学に関する交流といっても、その切り口や理系とーくラボに参加したきっかけが多種多様であることも印象的でした。科学への切り口やモチベーションが違っても、共に対話することができる場所というのは、非常に特徴的だと思っています。
このような中で、理系とーくラボメンバーそれぞれの、異なった仕方での科学への向き合い方について触れ、刺激を受けることがありましたし、自分自身が科学について考えるよいきっかけであったことは確かです。
余談ですが、理系とーくラボの中において、誰かが誰かに対して権威的になるようなことがなかったことも1つの大きな特徴だと思いましたし、そこに居心地の良さを感じる部分はありました。
(「科学」を共通項としたオンラインコミュニティだからこそ、このような文化が醸成されていった部分はあるのではないか、と勝手に思っています。)
ここでの交流は自分にとってまさに”科学的”なものの1つだと感じられるものでした。
そして、このような理系とーくラボでの交流を通して、この理系とーくラボの体験談を起点に話をすることで、科学を問い直すことができる企画になるのでは、と思いました。
そして、サイエンスアゴラの企画へ
そのようなことを考えて、企画案を書き、理系とーくラボの中で企画案を見てもらったところ、多くの人の賛同や協力を得ることができました。
そして無事にサイエンスアゴラの審査を通過し、来る11/6(土)に理系とーくラボでのセッションを行うことができることになりました。
「科学」を多様な人が語る場の実現
今回のサイエンスアゴラで特別拘った点があるとすれば、それはスピーカーの多様性です。
「科学」や「サイエンス」をテーマにした話をするとき、それは往々にして、科学者や研究者によって語られます。また、そのような話は、特定の科学技術に関連したテーマでそれ関する知識を広く伝える、という性質をもつものは少なくないでしょう。(※そのような話を否定するつもりは全くありません!!)
ただ一方で、それ以外の人を含めて科学について語る機会というのは、あまり多くありませんでした。
そして、今回のような自分の問いからスタートしたサイエンスアゴラの企画には、職業研究者だけでない、多様な人々によって話を進めていくことが不可欠だと感じました。「営みとしての科学」に焦点を当てて語るのに、特別な資格は不要だからです。
だからこそ、大学や研究機関での職業研究者以外の、フリーランスの方や大学学部生のような、多様な属性の方にスピーカーとして協力していただきました。
サイエンスアゴラのような、ともすれば職業研究者やステークホルダーたちが話をすることが多いような場で、理系とーくラボの企画のような、“普通”な人々がそれぞれの日常における科学に関するセッションが並んでいることは、それ自体が素敵なことだなと個人的に思っています。
(CMです)
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有機系博士ともよしがイベントで使用したスライド資料①②の2点です!
↓
①「有機化合物の分離/精製 基礎から上級テクニックまで @ 異分野融合Bar」
②「有機化学Bar 〜有機分子の構造決定をしてみよう!〜」
サイエンスアゴラの企画への参加をお待ちしています!
以上が、サイエンスアゴラ出展企画への、企画者としての想いです。
この記事の中で、自分自身の「科学」への考え方・向き合い方について、語り切ることはやめておこうと思います。(当日のお楽しみで!(笑))
サイエンスアゴラの当日、みなさんと「科学」について共に考え、対話することのできるのを楽しみにしています。
是非、みなさんの「科学」への向き合い方を教えてください。そして、他の人の「科学」への向き合い方に触れて、自分自身にとっての「科学」を問い直すような、そんな時間にしたいと思っています!
それでは、企画当日是非お会いしましょう!
サイエンスアゴラの申し込み方法
1.サイエンスアゴラ企画ページへアクセス(https://www.jst.go.jp/sis/scienceagora/2021/session/06-b19.html)
2.ページ下部の「事前登録/Registration」をクリック
3.フォームに必要事項を記入
4.登録いただいたメールアドレス宛に、当日までにZOOMのリンクが届きます
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