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僕は化学系の大学院を出て新卒で研究職に就きました。
しかしその後自分の希望で大異動し、今は社内ベンチャー的な事務系職をしています。
すると心配してくれているのか、普通では無いキャリアプロットに興味もあるのか、結構知り合いに聞かれるわけです、
「院まで出たのに、後悔とかしてない・・・?」
答えは、はっきりNOです。
異動して1年以上経ちますがむしろ僕は研究所時代よりなんだかんだ楽しいです。
ところが一方、職場の先輩の中には、これまで研究一筋で、いつのまに異動させられて事務系職をやっている、そしてキツイ・・・って人もいるんですよね。
「研究職って良かったよなあ」みたいな。
・・・つまり、同じ様に”研究”をバックグラウンドに持った人が文系職に就いても、
僕みたいに活き活きするルートと、
この先輩みたいに”あの頃”に戻りたいルートの両方があり得ると。
そして今まさにこれから事務系職に進もうか迷っている大学院生や若手研究員の方の中には、後者のようにならないか心配で踏ん切りがつかない人もいるのではないでしょうか。
結局本人次第という話ではありますが、
後悔しない判断の仕方や考え方の参考になればと思い、ポイントを三つ紹介します。
目次
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有機系博士ともよしがイベントで使用したスライド資料①②の2点です!
↓
①「有機化合物の分離/精製 基礎から上級テクニックまで @ 異分野融合Bar」
②「有機化学Bar 〜有機分子の構造決定をしてみよう!〜」
理系院卒が事務系職で後悔しないために:
①その仕事で「得たいもの」をはっきりさせる
「どんな仕事をしたいのか」があれば理想だと思いますが、正直そんなものはわからないから困るんですよね。
「どんな仕事をしたいのか」は、「自分が得たいもの」がきっちり決まっていて、そのための手段にあたります。
つまり、前者は後者なくしては答えの見つけようもなく、一段深いところにあるはずなんです。
どうして「得たいもの」の明確化が大事かというと、環境が変わると、
「元の環境だったら…」という比較がどうしても脳裏に過ぎるものだと思います。
このとき、「得たいもの」が得られそうだという実感があれば選択を信じて前向きにいられるからです。
ちなみに、もしかしたら「得たいもの」がはっきりしてても、左の図のようにはっきりとは仕事の形はわからないかもしれません。研究職から遠ければ遠いほど。だってほとんど業界のこと何も知らないはずですから。
その結果、上の例でいうと、形も色も少し似ている仕事Cを選んでしまうかもしれません。
ただ僕はこの時点で100点満点ではなく、70点くらいの選択ができれば良いと考えます。
何故なら、十分に得たいものは得られるはずから。
というのも、大抵のものはその仕事じゃないと得られないなんてものは無いからです。だって
その会社、その業種じゃないと得られないものってなかなかないですよね。
「いやいや、総理大臣の地位を得たい人は衆議院議員になるしかないやろ」
と言われたとしても、実はその最初のSTEPとしては例えば海外勤務で語学堪能になり海外と人脈を作ってまずは外相を目指していくのも有りなわけです。
この場合「語学」と「海外の人脈」という得たいものが得られれば、ひとまず目の前の仕事選びでは合格だと思うんです。
「得たいもの」を吟味せず道を進むと・・・
例えば「もう研究はうんざりだ」という消去法等で、「得たいもの」があるわけでもなくなんとなく良さそうな道を選んだ場合。
超高待遇、周りも良いやつしかいなくてやりがいMAXの神職場なら良いですが、問題は少しでも不満が生じた時です。
「〜〜の面を考えるとやっぱ研究所にしとけばよかったかなあ」という様に、マイナス面に目がいく発想になると思います。
なぜなら、
「得たいこと」を明確にしていないがばっかりに、
その仕事で得られているプラス面に対し、「欲しいものを手に入れられている」という
充足感がないからです。
本人の意思と同意なく異動させれる人は、この「得たいもの」が空っぽのまま何かをやらされるのが不幸だなと思います。
理系院卒が事務系職で後悔しないために:
②その仕事で「発揮する自分の強み」を意識する
仕事をする以上、遅かれ早かれ結果を求められるのは事実で、そのためには自分の強みを発揮することが不可欠です。
ただここでいう強みは何も専門性だけじゃ無くて、
- プレゼンが上手い → キーマンの説得、共感によりリソースを割いてもらえる
- 計画を立てた上で実行と修正が得意 → プロジェクトの管理ができる
- 聞き上手で人の懐に入れる → 相手のニーズの明確化がうまくできる
…といったように、色んなことが仕事に関わる強みになり得ます。
そしてなにより理系院卒の人なら誰しも、
「知らないことは素直に聞いたり、調べたり、勉強したり、自分の頭で考えたりして補える」、
この強みは持ち合わせているのではないでしょうか。これがあれば即戦力にはならなくても何年か後には知識面でも追いつけるはずですよね。
そしてお伝えしたいのは、こういった強み自体が有るか無いかの話ではなくて、
強みを強みと意識しているかどうかです。
強みを持っているだけじゃなくてしっかり自分の中で意識しておくと何が良いか。
それは、
上手く行かなかった時にも絶望しません。
(こんな大げさな言い方しなくてもいいんですけど、他に思いつきませんでした笑)
最低限の自己肯定感の源になります。
失敗したときに、自分を漠然と全否定してしまうことなく、
「自分は◯◯の良さはあるんだからそれを活かす/▲▲ができるようになれば上手くいくはず」と前向きな捉え方ができるはずです。
自分の強みを意識していないと・・・
上手く行かなかった時に「やっぱ向いてないわ(やめとけばよかったわ)」って発想になります。これは特に部活の世界でよく見る光景だと思います。
実は秀でたものがあっても、なかなか試合に勝てないと「やっぱ向いていない」となってやる気を失う。
僕も小学生の頃から球技をやっており、そうやってナヨナヨしていた時期もありました・・・笑
強みを活かしたり、強みを発揮できていない原因を取り除いてあげればいいのに、最低限の自己肯定感が無いと全体を否定してしまうんですよね。
理系院卒が事務系職で後悔しないために:
③自分の努力で過去の選択を正解にする
これが一番端的に大事だと思うんですが、迷った末に文系職に移ったとして、正解だったな、失敗だったなってわかるのって随分先の話ですよね。
「よし事務系職に就こう」という判断をしたその日に決まったというよりは、その後の自分の生活によって決まることだと思います。
事務系職に移ったとして、大きく次のステージに進めたと感じたなら大成功だし、過去の未練を断ち切れず何年も縮こまってしまっていたら失敗。
そう考えると、ある選択を後悔したくないなら、「あの選択は失敗だった」って後悔しないような過ごし方をすれば良いと思いませんか。
強引な荒技に感じるかもしれませんが、これは選択の内容が完全に自分次第な事だから使える考え方です。
競馬で「迷ったけど1番大穴の馬に全財産賭けるからあの馬勝たしたろ」とかできないですよね笑
この話に限ったことではなく、色んな決断に使えるオススメの考え方です。
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まとめ
僕も異動を希望した時はめちゃめちゃ悩みました。手段として転職まで考えていましたね。
(転職エージェントを利用するメリットデメリット(外部ページに飛びます))
文系に進む話に限らず、選択の後悔って、選択後に後ろを振り向いたり、脇道に目をやってしまっている時に起きるものだと思います。
①進む先に「得たいもの」という目標を置いていなかったり、
②しんどい道を進むのに十分な自己肯定感=自分の強みを感じられていないとそうやってすぐ周りをキョロキョロしたくなるわけです。
すると隣の庭は青く見えるもので、後悔の念が湧き上がってくるものですが、
前を向いて走っていれば後悔なんてする余裕はないのです。
一方、前を向けているからといって成功は確約されていません。とはいえやる前から上手くいくかどうかなんてわかりっこないですよね。
そこでオススメの考え方が最後のポイント③「自分の努力次第で過去の自分の決断を正解にしてあげられる」ということです。
目的と自分の何を武器に戦うのかを明確にしたら、後は一生懸命やるだけ。
こう考えれば理系から文系職に就くという難しい決断も少しはしやすくなるのではないでしょうか。
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